世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「大丈夫か?」
詩優は座り込んでいる女の子に手を差し出す。
すると、座り込んでいる金髪でショートヘアの女の子は
「王子様だ…」
と小さく呟く。
「ん?」
「あ、すみません…」
「立てる?」
「は、はいっ」
女の子は詩優の手に掴まって、ゆっくり立ち上がる。
キラキラとした瞳で詩優を見つめて、頬を赤く染める女の子。
誰かが誰かを好きになる瞬間
私はその瞬間を、今、目の前で見た気がした。
花莉side.end