世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
小動物だと思われているのか、はたまた子どもだと思われているのかわからないけど。
詩優はよく私の頭を撫でてくれる。
詩優の手は大きくて、温かくて、すごく落ち着く。大好きな魔法の手。
だから大人しくされるがままになってしまう。そんな私を見て詩優は満足そうに笑うんだ。
だから私も嬉しくなって、詩優にはもっともっと喜んで欲しくなる。
「私も詩優に食べさせてあげる!」
詩優が手に持っていたフォークを奪い、ガトーショコラを一口分とってそれを彼の口元に近づけた。
「あーん」
と言えば彼は口を開いてくれて。
ぱくっと食べてくれた。
「さんきゅ。残りはあとで大事に食うな」
また詩優は私の頭を撫でてくれる。
「うん!」
両想いになってからの初めてのバレンタイン。
私は両想いのバレンタインがこんなにも幸せな気持ちになれるんだと知った。
花莉side.end