世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




私の赤い顔はよく見るのに、私には詩優の顔は見せるつもりはないんだ…!!

それがなんだかすごく悔しくて、私はそっぽを向く彼の左耳に顔を近づけ……




ぱくりと食む。





すると、予想通り詩優はビクリと大きく反応。
その瞬間を逃さず、私は彼の両頬を手で包みこみ、こっちに顔を向けさせる。





顔が赤い詩優と目が合う。
なんだかすごく可愛くて、思わず




「大好き」




と心の声が漏れてしまった。
彼は目を逸らして、「…ずりぃ」と小さな声で呟く。




さっきのお風呂場での時と逆だ。
私が詩優に『ずるい』って言ったから。




「ずるくないよ」




詩優にそうやって返して、私は彼の顔を気持ち悪いくらいにやにやながら見ていた。





ずっと見ていられるくらい可愛い。




本当はカメラに収めておきたいところだけど、スマホは自分の部屋に置いてきてしまっから…詩優のこの表情を目に焼き付けよう。





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