世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





それから詩優は竜二さんと何かを話して、こっちへ戻ってきてくれようとしたら、勢いよくこっちに向かって走る音が聞こえて。




「妃芽乃さん…!!!」




私の名前を呼ぶ女の子の声。
声のしたほうに目を向けると、関根さんが走ってきてぎゅっと私に抱きついた。




「学校中に妃芽乃さんの写真が貼ってあって……!!私は妃芽乃さんが援助交際なんてする人じゃない、ってわかってるからね…!!」





私に抱きついてそう言った関根さん。





“学校中”
“写真”
“援助交際”




その言葉で思い出すのはさっき私の下駄箱に入っていた写真。

それが、学校中に……。
全校生徒が見てしまった、ということ……?





急に怖くなった。
無理矢理やらされていたとはいえ、私が好んで援助交際をやっていたと思う人もきっといるはず。





私がそういう人間だって、詩優もそういう女と付き合う人間なんだって…思ってしまう人もいるかもしれない。




私が、詩優や周りにいるみんなの評判を落としてしまう。



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