世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





ほっと胸をなでおろして、俺はすぐに水面を目指した。




…だけど、思うように動けない。
さっき撃たれたせいかもしれねぇ…。




…こんな時に……。




自分の呼吸は限界に近い。
…でも、花莉を絶対に離すわけにはいかない。絶対に助け出してみせる。





必死になって足を動かして、水面から顔を出して大きく息を吸う。





「花…莉……っ」




花莉を見るが、彼女の意識はない。




早く、早く川から出ねぇと…!!!!




花莉を抱えたまま俺は必死に水をかいて岸を目指す。




早く病院に行かねぇと…
花莉がほんとに死んじまうかもしれねぇ…




水をかいている間も、怖くて不安で堪らなかった。




幸い水流はそこまで早くなくて、なんとか無事に岸に到着。





すぐに手の鎖を外して花莉の呼吸を確認するが……
彼女はぐったりしていて息をしていない。




「花莉…っ!!花莉!!!」




彼女の名前を呼びながら心臓が動いているか確認するが、心臓の鼓動は弱々しく動いているだけで。




人工呼吸…!!
人工呼吸しねぇと!!!





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