道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

たまたま通りかかった看護師さんが話しかけてくれた。

看護師「山田さんの......」
すみれ「あ、はい。お世話になってます」

さっきより全然良くなって話もまともにできるようになった。

看護師「あまり、無理をしないように…」
すみれ「ありがとうございます」

病室に戻る途中で阿部さんがこっちに向かって歩いてきた。
私を見つけて、駆け寄ってきてくれた。

大輝「遅かったから」
すみれ「すみません。看護師さんと話し込んじゃって…笑」

言わないようにしよ。
亮平の耳に入るかもしれない。
今は、心配かけちゃいけないから。

亮平「大丈夫?」
すみれ「うん!大丈夫!食べよ~笑」

まるで、何もなかったかのようにその後、頭が痛くなることは無かった。
家に帰っても、特に体調に変化はなく、重く考えることもしなかった。

すみれ「はぁ~、疲れた~」

亮平と会わない時間は、家にいるときくらい。
怪我が治ってからも亮平に会うために、ほぼほぼ病院にいるようになった。

すみれ「テレビでも見よ~」

たまたまつけたテレビ。そこで話されていた臓器提供の話。
あぁ、私もこれ書いとこうかな。
亮平のこともあるし、そういう、軽い気持ちで書いた。
まさか、これで亮平が助かるなんて…。
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