道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~
9つのさよなら

零×思わせぶりな彼女        ④


矢花 Side

思わせぶりな彼女だった。

○○「零、これ食べる?」

当たり前のように僕の家に来てはくつろいでいく○○。
まぁ、それを許可してる僕も僕なんだけど。

零「......何、これ」
○○「お土産のお菓子だよ」
零「お土産って......旅行でも言ってたの?」
○○「うん、友達と」

言ってなかったっけ?と首をかしげながら僕より先にお菓子の包みを開ける??。
そんなの聞いてないよ、という言葉は、○○が口に放り込んできたお菓子と一緒に飲み込まれてしまった。

お土産を買ってきてくれるってことは、少しは特別な存在なんだろうけど。
でも、本当に特別なら旅行に誘ってくれてもいいはず。

○○「あ、もしかして妬いてる?」
零「僕が?そんなわけないでしょ」

君に興味なんてないフリをしようと、鞄から仕事の書類を取り出した。


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