道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

翔太×優しい彼女        ①


中村 Side

優しい彼女だった。

そんな優しい彼女を怒らせたのは俺だ。
シャワーから戻ると○○は上着を着ていて。
どっか行くの?コンビニ?と聞いた俺に、○○は冷たい視線を投げかけた。

○○「もうここには来ない」
翔太「え」
○○「約束破ったでしょ」

彼女との約束。
それは、写真を撮らないことだった。

○○は写真を撮られることをすごく嫌がった。
だけどあの日、楽しそうに歩く後ろ姿あまりにも素敵だったから。
こっそり1枚だけその姿を収めて、スマホの中に隠していた。

翔太「……勝手にスマホ見たの?」
○○「ごめんね。でも先に約束破ったのはしょうたくんだから」
翔太「後ろ姿でもダメ?」
○○「うん。ダメなものはダメ」

悲しげに微笑んで部屋を出ていこうとする彼女。


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