蘭蝶 短編集
「ま、愛美…?」



『ほらね、私が言った通りだったでしょ?伶くんには彼女が居るって』



最初から分かってたじゃん、なのにどうして涙が溢れてくるんだろう…?



「愛美…。ごめん、私が確かめに行こうなんて言ったから…。」



『彩は悪くないよ、遅かれ早かれ事実は変わらないし。…帰ろっか。ここにはもう用ないし』



「う、うん」



そのあと中々泣き止めない私に彩は私の家に泊りなよと声を掛けてくれた。正直こんな状態で家に帰って部屋に戻ったら一人でずっと伶くんのことを考えてしまうだろうからその好意に有り難く甘えさせてもらった



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