もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「もーらいっ」
私のお弁当から器用にたまご焼きを一つ取って、出ていく細くて長い指。
「…ドロボー」
私は満足そうにたまご焼きを頬張るハヅキを睨みつけた。
「べつによくない?さぁちゃんがいつまでもダラダラ食べてるからだし。それにさぁちゃんの物って、実質俺のもの、みたいなとこあるし?」
何そのジャイ〇ン理論!?
「ないから!」
「えー?」
へらへら、楽しそうに笑うハヅキ。
と思ったら、グ、と不意に顔を近づけてきた。
ドキ、とちょっとだけ心臓が鳴る。
「…なんか今日、いつもにまして可愛くないね?」