もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「っ、じゃぁ」
郁海ちゃんが泣きそうな顔して言った。
「私でもいいでしょ!?私だってハヅキのことっ…」
「ざーんねん」
パッと私から手をはなしたハヅキが、郁海ちゃんの頭にポン、と手をのせた。
「俺、こういうの先約優先なんだ。だからまた次の機会に。ね?」
「ハヅキ…」
…なに。
なんなのこの気持ちの悪い空間。
なんで私がハヅキと付き合ってて、で、なんで私が悪いみたいな空気になってんの。
これは…
「えんざ「おしっ!じゃーみんな席つけ!HRはじめっぞー!」
冤罪だー!!
と叫ぼうとしたところで、タイミング悪く担任が入ってきた。
キッと思わず担任を睨みつけると、担任とバチッと目が合った。
「な、なんだ早見。何でそんな怖い顔してんだ?」
「別に…なんでもないです!!!」
「おいっなんだ教師に向かってその態度は!」
くそっ担任…じゃない!ハヅキ!!!
私は隣の席の、涼しい顔してHRを受けているハヅキを睨みつける。
一体今度は何を企んでんの!?この…