キミ観察日記
「起きましたか」

 頭から水をかけられ、少女が意識を取り戻す。

「退屈です。もっと変化をくださいよ?」

 少女は涙を流しながら震えている。

「まあ、いいです。食事にしましょう」

 男が犬用の器にシリアルを入れると、床に置いた。

「食べないんですか」

 少女の首には真っ赤な首輪が嵌められている。

「しかし。キミ、匂いますね」

 男は少女の髪を鷲掴みにすると、顔を覗き込んだ。

「……聞いています? まだ壊れないでくださいよ。夏は長いのですから」
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