敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
問題は寝る場所。これからしばらく一緒に住むとなると、ずっと俺をソファで寝かせるのは申し訳ない、と彼女が言う。その逆も、もちろん俺が許さない。

『お布団を持って来ればよかった……もしくは寝袋……』と呟いている彼女に、俺は苦笑しつつ、一番簡単な方法を提案する。


『同じベッドで眠りませんか?』


これは意地悪でも、誘っているわけでもなく、最も効率的なことを言っただけ。ダブルベッドだから窮屈ではないし。

ところが、森次さんはものすごく困った顔をして、頭を抱えて唸りだす。

しばし悩んだあと、俯き気味なままボソッとこう言った。


『じゃあ、ひとり分のスペースを開けてくださるなら……』


そのひとことも、針のように胸に刺さった。

男性と寝た経験がないことは以前聞いていたから仕方ないのかもしれないが、そんなに俺を拒否したいのかと思うと少々傷つく。

上辺では気にしていないフリをして了承したものの、心の中では、いつかスペースなどなくしてやろう、と密かに目論んでいた。

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