お兄ちゃんへ
崩壊
「お疲れ様でした!」


私が一礼すると、夕陽に照らされた引越し業者の車が帰って行った。


振り返ると、古いけど大きな一軒家。

広めの庭には、向日葵が並んで咲いている。


私、真島まこと、16歳。


今日からこの家で、お兄ちゃんとの新生活が始まるんだ。

お兄ちゃんは、真島圭吾、24歳。



門を閉めて玄関に向かっていると、一気に疲れを感じた。

朝から引っ越しの作業とか手続きをしていて、疲れを感じる暇もなかった。



「疲れた〜」


玄関に入ると、自然と声が漏れた。



「お兄ちゃん、晩ご飯どうする?」


リビングにいるはずのお兄ちゃんに声をかけながら向かう。

返事はなく、さっきまで段ボールの整理をしていたはずの姿も見当たらない。

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