風邪引き
なにかの前兆・・・!? 4
しばらくすると、雅人がご飯と薬を持って部屋に入ってきた。
「薬持ってきたけど、まずはご飯食べないとな。食べられる?」
椅子をベッドの傍に引き寄せ、座りながら雅人が言うと、明日香は、うん、と言って、体を起こした。
「明日香はいつも無理するからなぁ。ま、たまには休めってことだな。本当は、体調が悪いこと隠すつもりだったんだろ。」
頷く明日香に、雅人は苦笑いする。
アルは明日香のことが心配になって様子を見に来たようだ。雅人は、アルを持ち上げて股に乗せた。そして、しんどそうにスプーンを持ち上げている明日香からスプーンと器を取って、スプーンでお粥をすくって明日香に差し出した。
「へ・・・・・・?」
おもわず明日香が間抜けな声を上げる。
「しんどいんだろ?だったら無理しなくていいよ。食べさせてあげるから。」
その言葉に、ただでさえ赤い明日香の顔はさらに赤くなった。
「いいよぉ・・・自分で食べるから・・・。」
器を取り返そうとする明日香の腕をさらりとよけて、雅人はさらにいたずらっぽく笑った。
「だめ。これ以上抵抗するなら口移しで・・・」
「わかりました・・・わかりましたよぉ~・・・。」
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