触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「え?前に約束してるじゃん……エヘヘ」




「結婚、してくれる?」




「うん」




ヤバ……めっちゃ照れてる、可愛い。
永遠に見てられる。
席を立ち、出ようとしたら自然と拍手が沸き起こった。
びっくりする2人。
そういや見られてたんだった。




「おめでとうございます」と見知らぬお客さんたちにその場でお祝いされて照れ笑い。
プロポーズ、OKいただきました。
ありがとうございます。




お店の人からは「どうぞお幸せに」と言われはにかむ。
なんか、思い出のお店になっちゃったね。
恥ずかしいよ〜と並んで歩く帰り道。




「あ、そうだ…!歯磨き粉買わなきゃ、コンビニ寄っていい?」




そう言われて立ち寄ったコンビニで、アイスを真剣に選んでる。
歯磨き粉は…?
そういうとこも可愛くて好きだけど。
何となくゼ○シィもカゴに入れてみたら目が合ってまた照れてる。




「え、奈那っ!?」




急に背後から声をかけられて振り向くと女性2人と男性1人のグループ。




「あれ?この近くだったの?」と奈那も気心の知れた人たちみたいだ。
すぐに「同期の子たちだよ」と紹介され会釈する。
わぁ……皆さん、看護師。




「彼氏さんですか?」
「本当にデートだったんだ?」




ジロジロ見られて固まる。
カゴの中身を見られて更に「結婚するの?」の嵐。
しまった、買うの今度にすれば良かったかな?
奈那も困ってる。




「まだ先だけどね?だから口外しないでよ?」と念を押していた。




「うわ〜同期第1号かぁ〜」
「おめでとうございます!」
「そりゃこっちの飲み会断るわな」




「えっ、飲み会だったの!?」




聞いてはないけど断ってくれたんだ……
少し居心地悪そうにしてるけど真剣に。




「だって今日は記念日だったしヒロの誕生日だし…?外せないのわかってよ」




「そりゃそうだ!え、彼氏さんの誕生日に付き合ったんだ?いいね〜!」




「うん、だから今日はごめんね?また今度行こ?じゃあね」




同期さんたちは今から宅飲みに変わるそうでちょうどコンビニに寄ってたとか。
買うもの買って別れた後。






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