私たちの春は白
今日の授業が何か推理しながら私と詩織は教室の中へ。すると、いつもと違う光景があった。

三十代くらいの男性と、グレーのスーツを着た女性がいる。見たことのない人たちだ。お客さんかな？

私と詩織が固まっていると、女性が微笑みながら「こんにちは」と言う。男性も頭を下げ、私と詩織も挨拶をした。

その後教室に入って来た結衣たちも、見知らぬ男性たちに「えっ？」と呟く。そしてチャイムが鳴り、杉浦先生が教室に入って来た。

「杉浦先生、こちらの方々は……？」

颯が訊ねると、杉浦先生はニコニコしながらプリントを配る。そのプリントのタイトルには、「聴覚障害について知ろう！手話でろう者と会話しよう！」と大きく書いてある。

「手話！？」

太陽と海斗が大きな声で言い、私たちは教室の後ろに座っている男性と女性を見た。この人たちと話をするのだ。

「じゃあまずは、聴覚障害について勉強しましょう」

杉浦先生がそう言い、私たちは教科書を広げる。その様子を男性たちはジッと見ていた。
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