お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
こんな言い合いをしている間に、尚さんの手には意外ときれいに開けられた封筒が握られ、もう片方の手には一枚の紙が握られている。



「んーと······おお!」



取り出した紙をまじまじと見た後、尚さんは感嘆の声を上げた。



「なんで私より先に見るんですか······」



こういう大事なものは本人が最初に見るものでしょ!?



「誰が先に見たって結果は変わらないんだからいいじゃん!」

「いいじゃんって······」



なんだその屁理屈。今回こそはかわいい顔したって許されないぞ。



「で?結局どっちなんですか?」



今オーディションの結果がわかっているのは尚さんだけ。



知ってるならさっさと結果を教えて欲しいんですけど!?



そんな私の問いかけに無視を決め込んで何やら飛び回っている。



······おい、わざとかこの野郎!!
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