指輪物語 ーあなたの海になりたいー
優也兄ちゃんが高3になる前の正月に会った時、見た目もすごくカッコよくなっていて、俺にとってさらに憧れの対象になった。
優也兄ちゃんのマネじゃないけど、何でも知っていて頭の良い奴になりたいって、俺は普段から勉強も頑張った。
だから、この超難関と言われるT学園にも案外すんなり入学出来た。
優也兄ちゃんは昔から動物が好きで、よく捨て猫を拾ってきては家で飼っていた。
それくらい動物愛も深く、将来は獣医になりたいって言っていたっけ。
見た目も良くて、頭も良くて、人にも動物にも優しくて、そんな人間この世に居るのか!?って思ってしまうほど、優也兄ちゃんはパーフェクトだった。
一度見せてもらった彼女の写真。
有名な女子高で、美人で、お姫様のような彼女。
そこに写っていた2人は美男美女で、誰から見てもお似合いだった。
誰からも羨ましがられる存在。
益々、俺もそんな男になりたいって思っていった。