たとえば、こんな人生も
そんな姉さんに美冬ちゃんは

奥の手、と


「最新ひなた写真」


取り出したスマホの画面を
アリサ姉さんに見せつける

そこには笑って誰かに手を振る私の姿


「!」


目の色を変えて、画面を凝視するアリサ姉さん


「え。それいつ撮ったの?」

「ふふ。内緒」


撮られた覚えのない写真


「美冬ちゃん、盗撮はやめてよ」

「だってひなた逃げるでしょ?」


悪びれもなく笑う美冬ちゃん


「代わってくれたら、送ってあげる」


意地悪な笑顔を浮かべながら
煽るようにスマホを横に振る


「…………うぅ……っ」


葛藤するようにうめき声をあげて

それから
アリサ姉さんはゆっくり私から離れた

すぐさま美冬ちゃんが私に抱きついてくる


「……ひなたの匂い、久しぶり」

「美冬ちゃん、危ない人みたいになってるよ」

「さゆの言う通り少し太ったかな
抱き心地が良くなった」

「だから美冬ちゃん」


発言がいちいち変態な美冬ちゃん

幸せそうに笑う美冬ちゃんを見上げる
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