たとえば、こんな人生も
……シン君、酒癖悪いんだなぁ

いつきさんは酔い潰れてた姉さん達を
車で送ろうとしてくれたのに

シン君に捕まっちゃって見送りすらできなかった



「あ~?レイジ、お前ももっと飲めや!」

「落ち着いてください、シンさん
飲みますから」

「お~お~
年上の酒は飲まねーとなぁ」


今度はオーナーに絡もうとするシン君

それを阻むように間に入って
いつきさんがそう言えば

シン君は機嫌良さげに笑う


「……年上?」

「ああ。ひなたお帰り
姫達は全員帰ったかい?」

「はい。下にタクシー呼んで……
それより今、シン君年上って……」

「いつきはシンより年下だからね」

「……え?」

「シンが24、いつきは22」


目を丸くする


……いつきさん、そんなに若いの?

もっと上だと思ってた


「いつきは見た目がああだからね」


私の反応にオーナーはくすくす笑う


「海外の中高校生が
大人びて見えるのと同じようなものさ」


「今、隣にいるのがシンだから
余計に驚くだろうけどね」


シンもシンで
年齢より遥かに幼く見えるから、と
オーナーは笑みを深める
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