たとえば、こんな人生も
5
……
……
……



「…………はぁ…」



学校からの帰り道

歩きながら深くため息をつく



「ひな」



そんな私に背後から声がかかる



振り返れば



「……まこちゃん?」



思いがけない人の登場に驚く



シン君の双子の妹

まこちゃん

シン君と一緒に
あのお店で受付嬢として働いてる

双子って言っても二卵性だから
シン君とは全然似てない

シン君より身長もあるし
見た目も年相応に可愛いお姉さん



「お仕事は?」

「今日は休み」

「そっか」

「馬鹿兄貴が迷惑かけてごめんね
話、聞いたよ」


私の傍にやってきたまこちゃんは
申し訳なさそうに眉を下げて、謝罪の言葉を口にした


「いつきがシン兄のせいで潰れて
それで、ひなに手出したって」

「……いつきさんから聞いたの?」

「うん。
それでね、私
しばらくいつきの家に泊まることになったから」

「え?」



『無理矢理、あんなことをして
泣かせてしまったから』


『俺とふたりきりだと
きっとひなたちゃんは怖いだろうから』


『だから、まこさん
しばらく家に泊まって貰えないですか?』



「って頼まれたの」
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