白雪姫に極甘な毒リンゴを

 小6の時から、
 六花のことが大好きだった。


 妹としてなら、
 俺が4歳の時に六花のお兄ちゃんになって、
 俺に初めて笑いかけてくれたあの日から。


 俺はずっと、ずっと、
 六花のことが大好きでたまらなかった。


 それなのに今の俺は、
 何をやっているんだろう。


 親父と母さんとの約束のせいで、
 六花と付き合えないなんて、
 そんなのただの言い訳。


 六花にフラれるのが怖くて、
 思いを伝えられない自分を、
 かばうための口実。


 だって、
 六花を永遠に愛し続ける覚悟があるなら、
 なんだってできるから。


 必死に親父を説得することも。


 六花が俺の隣で幸せを感じてくれるように、
 どう俺が変わればいいか考えることも。



 茜のことも、
 六花から逃げるために俺は利用したんだ。


 あんなに真っ直ぐで、
 弱った人を放っておけない
 茜の優しさに付け込んで。


 そう気づいた時には、
 俺は茜に電話をかけていた。


 そして本当の思いを、
 包み隠さず茜に打ち明けた。


 人として、最低な自分もさらけ出して。


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