白雪姫に極甘な毒リンゴを

 パックのそこに、小さく文字が。


 もしや、他のパックにも?


 すべてのパックの裏に、
 1文字ずつひらがなが書いてあった。


 4個のパックの文字を合わせると


 『す』 『き』 『で』 『す』 


 は? 

 七星の奴、
 ひそかに六花に告白しているし……


 六花の様子を見る限り、
 まだこの告白には気づいていないみたいだ。


 俺は絶対、
 六花を七星に渡したくない!


 そのためには、
 このメッセージを隠滅しないと!


 どうする? どうする?


 そうだ! 

 消しちゃえばいいじゃん!
 

 俺は指に水をつけ必死にこすった。
 人差し指の指紋がなくなる覚悟で。


 って…… 消えないし……



 どうする? どうする?



 そうだ! 

 マジックで塗りつぶせ!


 そう思いついた俺は、
 黒いマジックで文字を消した。


 って…… 余計怪しくなってるし……


 
「は~ しょうがない……
 自販機で、
 同じ苺ミルクを買ってくるか……」


 六花がお風呂から出る前に、
 証拠隠滅を完了させるため、
 自転車にまたがり、
 猛スピードでペダルをこいだ。


 そして、
 七星の思いがこもった苺ミルクを、
 底がピカピカな物にすり替えた。


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