元カレと再恋愛ってありですか?
紗那は一度仕事用のカラーサンプルを手にして、自分の手が大きく震えてしまってから怖くて仕事道具に触れられずにいた。
もしもまた手が震えだしたらもう仕事ができないかもしれない。

『ピンポーン』
少し前に奏介からもうすぐ帰るというメールが来ていた。紗那は玄関に向かいカギを開けるとそこには奏介が笑顔で立っていた。
「ただいま」
「おかえり」
手には大きなスーパーの袋。
「おつかれさま」
「おう。具合は?」
「もう完全に回復しました!」
その言葉に奏介が紗那の頭を撫でる。
「そりゃよかった」

紗那が倒れてからすでに5日がたっている。あと2日休んだら仕事に復帰する予定だった。
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