元カレと再恋愛ってありですか?
「以前イタリアの家庭料理を広めたいとおっしゃっていたので、そこをコンセプトにしてイメージを描いています。でもまだお店の内装を検討している段階です。先日厨房に実際に立たれている浦山さんを見て、厨房の配置について少し検討が必要と思いました。」
「検討?」
「はい。浦山さんは背が高いですが、ほかのスタッフの方の動きも合わせて厨房やホールは内装を考える必要があります。内装や設定によっては外観にもかなり影響しますから。」
「へぇー。そこまで考えるんですね。」
「もちろんです」
紗那が描いたスケッチを奏介は手に取りじっくりとみた。

「木ノ内さんにお願いしてよかったと、今から思います。」
スケッチから視線を移して奏介は紗那を見た。

「まだまだこれからですよ?」
「でも・・・後悔は絶対にしないと思います。」
言い切る奏介。
「まずは俺も厨房器具、決めないとだな」
「そうですね」
紗那は恥ずかしくて自分の顔が赤くなっていないか気になった。
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