復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ3〜
勇吾がうっすらと目を開ける。

「杏奈……」

杏奈と呼ばれた少女は、こっくりとうなずいた。それを見て、勇吾は口元を少しゆるませる。

「来てくれたんだ……。おれ、やっと杏奈がいるところに行けそうだよ」

杏奈は優しく微笑みながら、勇吾を抱きしめる。

『勇吾……生きて』

耳元にそうささやく。勇吾は小さく首をふった。

「いやだ……杏奈のいない世界はもういやだ。母さんも死んで、おれひとりなんだ……一緒に連れて行ってくれ。杏奈お願いだ……」

『勇吾、あなたがこの世に生きていることが私の希望なの。また必ず会えるから。それまで私のことは忘れて……』
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