オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
大切な親友の結婚は、私が一番盛大にお祝い

してあげたい。そんな私が考えたのは。

「龍也さん!ここで二人の結婚式しましょ

う!」

「ここで!?」

蓮人と龍也さん、二人の家族を呼んで。小さ

な結婚式でもいいから二人の幸せな未来の後

押しを、私がしたい。

龍也さんは私の突飛な提案を快諾してくれ

て、準備を進めた。

一週間後、結婚式の準備を終えた私たちは、

授業終わりの聖菜と玲悟くんをカフェに呼び

出した。

「聖菜、玲悟くん。結婚式しよう!」

式場に変わったカフェには、蓮人、龍也さ

ん、そして二人の家族を呼んでいる。

「これ…ももちゃんが?」

「ううん。みんなで準備したんだよ。聖菜と

玲悟くんに喜んでほしくて。」

そうして、聖菜のご両親が用意してくれたド

レスを身に纏い、二人の結婚式が始まった。

「オレはこの先何があっても、聖菜だけを愛

し、守り抜くことをみんなの前で誓いま

す。」

「聖菜も、どんなことがあっても玲くんだけ

を愛して、玲くんの隣で生きていくことをみ

んなの前で誓います。」

二人の誓いのキスに、祝福の拍手が響き渡っ

た。

「それじゃ、行くよ!」

ブーケトスの瞬間、聖菜は一瞬だけ私に微笑

んだように見えた。

宙を舞った春色のブーケは私の手の中へ落ち

てきた。

「次は、ももちゃんの番だよ?」

私のそばに歩み寄り微笑む聖菜は今までのど

の瞬間よりも綺麗だ。
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