オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「久しぶりだね!」

「あぁ。あの時はまだ付き合う前だった

な。」

誕生日デートは、オレ達が初めてデートした

遊園地。あの時は考えてもみなかったな。

オレの隣でももが笑ってくれる未来なんて。

「ねぇ、蓮人。」

「ん?」

「ずっと聞いてみたかったんだけど…」

突然もじもじし始めたもも。どうしたんだ?

「蓮人は、いつから私のこと好きだった

の?」

いきなりその質問は少し恥ずかしいな。

だけど、望むなら答えてやるよ。

「多分出逢った時から。」

両親の命日。施設で先生から話を聞いた帰り

道、ももと出逢った。初対面でももはガラの

悪い男たちに襲われていて、偶然助けたのが

運命の初恋の始まりだった。

ももの優しさに触れて、ももの努力を知っ

て、ももの純粋な心を知って。気が付けば引

き返せないほど、ももに惚れてたんだよな。

「ももはいつからなんだよ。」

龍也のことを好きだった時期もあるのかと思

うと、今でも嫉妬してしまう。まぁ、ももに

は見せないようにしねぇとな。

「いつからかはわからないけど…。初恋だっ

て気付いたのはここでデートしたすぐ後だ

よ…?」

そうだったんだ。なんかオレの方がずっと早

く好きになってたのが悔しい。だから、ちょ

っとだけ意地悪しても怒んなよ?

「オレの好きなところ10個言ってみて。」

「えっ!い、今…?」

「うん。」

ももは顔を真っ赤にしながら、話し始めた。
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