エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

スポーツ用品店での仕事を見つけ、レーブダッシュの商品に関わっていられることは幸せだった。

生活はつつましく、贅沢なんてとてもできない。
出費が重なるときは貯金を切り崩さなければならなかったが、和宏がいるだけでいい。


最後に渡された手切れ金は、封を開けることすらなくしまってある。

送り返そうとしたこともあったが、和宏の将来のために使おうと思っていた。

なんの援助もない状態では、この子を大学まで行かせてやるのは難しい。
私自身のプライドより、和宏の将来を思った。


「今日のご飯、なにがいい?」
「オムライス!」
「えー、また?」


和宏はオムライスが大好物。
ケチャップライスの上にふわふわの卵焼きをのせて、テーブルの上でスーッとナイフを入れると、とろとろの卵が流れ出るアレだ。

実はこれを宏希さんも休日のお昼などに好んで食べた。

彼は育ちもいいので、素敵なレストランをたくさん知っていた。

けれど、私の作ったオムライスを本当においしそうに食べてくれた。
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