リペイントオレンジ🍊


「私と堀さんの関係は〜。んー、なんだろう?今となっては親代わりって言うか」

「親代わり……?」


あれから、堀さんの奥さん挨拶を済ませて、リビングにちょこんと座った私。

まるで自分の家のように振る舞う海穂さんに圧倒される私に、堀さんは"気を遣わなくていい"と、いつもの人の良さそうな笑顔で笑ってくれた。


そして、堀さんの奥さんが作ってくれた美味しい料理をつまみに、海穂さんおすすめのお酒を数口飲んだところで、気になっていた堀さんと海穂さんの関係を聞いてみた。


「あれ、尊から聞いてない?」

「……いえ」

「2人って、正直どうなの?」

「え?どう……って?」


私が質問していたはずなのに、気づけば私が質問を受ける側になってしまった。


「だって、尊の部屋に忘れ物するくらいの仲なんでしょ?それなのに、何もないの!?」

「……あ、あれは私がお酒に呑まれてしまったのを助けて頂いただけで、それはもう全く!神に誓って何も、」

「お酒入ってたのに!?何にも!?」


すごい剣幕で迫ってくる海穂さんに、思わず後ろに手を着いて仰け反る。


確かに、お酒に呑まれていてハッキリとした記憶は2度ともないけど。だからこそ分かるって言うか……
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