側にいて
涙の病室を出た滴は館花総合病院を出てバイクに
乗り、倉庫に向かって走り出した。
最近、違う族が龍華の街で暴れている。
族の名前は 鸞鬼 。
龍華は関東No,1の族。
鸞鬼はNo,4でNo,2と3は龍華と同盟を
組んでいる。
鸞鬼はあまり良くない噂のある族で暴力事件や
リンチ、強姦などは当たり前らしい。
だから、龍華も最近ピリピリしている。
滴もそのせいで涙の見舞いになかなか行けなかっ
たのだ。
おかげで、涙に心配をかけてしまった。
倉庫について、中に入ると沢山声をかけられる。
「総長!お帰りなさいっす!」
そんな皆に手を挙げて答え、幹部室に繋がる階段
を登り部屋のドアをあける。
「お、滴ようやく帰ってきたか。」
そう言ったのは晴臣だった。
「あ! しーくん帰ってきたんだ!」
嬉しそうに言ったのは4月に龍華の姫
龍姫になったばかりの篠宮 裕香 シノミヤ ユカ
だった。
「ああ。」
「おかえり!」
抱きついてくる裕香を抱き止めてソファーに
座ると裕香もその隣に座った。
「しーくん、いつもどこへいってるの?」
この1ヶ月、裕香が1度も聞かなかったこと。