君だけとトベない~CA達の内緒な休息~



間違いなく、強がりだってのは自分でも分かってたけど、詩織の前で弱い自分をさらけ出すなんてのはありえない事。



「だからもう来なくていいって言ったのに……」



「それじゃ俺が嫌だから」



気付けば顔色が随分良くなっている気がする。退院までになんとしてでも気持ちを俺に向けたい。



そして出来れば、社長とかけあってでも詩織をまたCAに戻してやりたい。



近い将来やってくるであろう社長からの呼び出しを、なんとか有効に使ってやろう。



なんて



自惚れた考えを持っていた俺を待ち受けたのは、想像をはるかに超える怒りに満ちた声だった。



< 99 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop