1日限定両想い

青波さんからの連絡がこないまま2週間が経った。

一般的に恋人と連絡を取り合わない期間が2週間というのは長いのか短いのか分からないけれど、毎日連絡を取り合ってきた私からすれば恐ろしく長い時間のように思えた。



『心詠ちゃん。』

「はい。」


バイトを終えて帰り仕度をしていると先輩に呼ばれて、顔を上げると不敵な笑みを浮かべている。



「なんでしょうか…」

『この幸せ者め。リア充め。どこで見つけたんだあんな顔面国宝。』

「ちょっと何の話か分からないです。」


じりじりと近寄ってきて至近距離で見つめられると妙な迫力があった。

2歳年上の先輩はここでのバイト歴も長くて、私が始めたての頃からずっとお世話になっている。



『迎えに来させといて淡白ね~。』

「え?」

『外で待ってるよ。車にもたれかかってるのがやけに絵になってて皆が見てる。』

「お疲れ様でした!」


先輩の言葉に何か思うよりも先に身体が動いていて、呆気にとられる先輩を置いて外へ飛び出した。



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