1日限定両想い
気をつけて見ててあげてほしい、そう言われてからずっと俺にできることは何か考えてきた。
話を聞こうにも心を開く気配のない須崎に距離の取り方を掴みかねて、だけどただ様子を見ているには不安定なところが多かった。
「あの、須崎の父親って…?」
『仕事でほとんど帰って来ないみたい。』
「でも自分の親ですよね。」
『仕事だからね…介護まで手が回らないのも仕方ないことなんでしょう。私もさすがにそこまでは話してないんだけど。』
いろんな話を聞く中でこれまで話に登場しなかった父親のことが気になっていた。
須崎が介護しなければならないのは元々介護していた祖父が倒れて入院し、母親は病院に通わなければならないからだと聞いている。
そのどこかに父親の協力があればと思うが、仕方のないことなのだろうか。
「1年の頃は、この前みたいに学校で体調を崩すことはなかったんですよね?」
『そうね。いつも元気のない様子ではあったけど、我慢強い子だから。でも疲れは溜まりに溜まってるでしょうね。』
俺が高校生の頃なんて、毎日遊んで部活して本当に気楽だった。
今でもほとんどの生徒がそうだろう。