愛は惜しみなく与う④
「赤羽組を摘発するのであれば、きっと、朔さんの弟や父親は、捕まることになりますけど…それは本当にいいんですね?」


そういうことか。
東堂が動くなら…そーなる。
よくわからへんけど、父親は…赤羽組の情報を売ってたって聞いたけど

実際赤羽組の情報を知ってるということは
関係があるということ。


ほんと、やっかい

でも泉は言った



「大丈夫だ。その二人に関して、朔が気に病むことは1ミリもない」



こんなに言い切るのは、珍しいと思う。
よっぽど…朔は、家族に嫌な思い出があるんやろうな。そしてそれを知ってる泉は…朔の思いを理解しているんやろうな


「そうですね。杏様が関わるのであれば、手段は選びません。実際問題、烈火は手を引いたほうがいいと思います。こちらは…大きな組と警察を動かします。あなた達は無駄に巻き込まれる必要はありません」


そ、か
東堂が動くとしたら、あたしらは動かないほうがいい。
変に巻き込まれて、中途半端にあたしの存在がチラつくのも良くない
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