愛は惜しみなく与う④
「そういうことだな」


なんて、ひどい話だ


「薬を捌いてたんだけどな、東堂組に、バレてしまってね。証拠隠滅に時間がかかってる。それをあの小僧に手伝わせようかと」


「待てよ、朔は関係ないだろ?他の下っ端がいるだろ」


ここでわざわざ朔にする必要がどこにあるんだよ!


「……忘れたわけじゃないだろ?お前も知ってるはずだ。あの女が東堂だって。全て手を引かせたいんだよ」


ニヤリと笑った水瀬


言いたいことが分かってしまった



「女を守り、朔が下っ端の仕事を手伝えば……全て赤羽組の薬関係の罪は、朔に移るように仕組んでいる」


「お前…なんてことを!」


咄嗟に手が出そうになるのを堪える
だって、あんまりじゃないか

朔は関係ない

「こっちは、スコーピオンと呼ばれているけど、所属は赤羽組なもんでね。自分の居場所は大事なんだよ。だからこうして守ってる」


でもこれで、朔が拒否した場合の、奥の手があるはずだ。

それがきっと


杏のことなんだろうな



「こうやって、あの女が乗り込んでくることも想定してる。そうしたら困るのはあの女だと思うんだけど」


「どーゆうことだよ」
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