愛は惜しみなく与う④
傷ついたとしても、それでも
一緒に支えていけばいいと、あなたは言うんですね。

私は本当に弱い


杏様を上へ引っ張っていくことができない。同じ場所で同じ高さで、杏様のそばにいることしか出来ない


私もそろそろ覚悟を決めなければいけませんね


脚に力を入れて水瀬の部屋の扉をあけた




「……え?誰だ、そいつ」



泉の少し気の抜けた声が聞こえた



「だから…釈放されるのは、如月冬馬。お前は知らないだろう」


泉は、サトルじゃなかったのか。そう呟いて、ホッとした顔をしていた

でも私はその名前を聞いて一人の人物が浮かんだ



如月冬馬(キサラギトウマ)


鈴の婚約者であった、如月財閥の息子


如月なんて、そういるもんじゃない
ただの偶然か?



「如月冬馬。如月財閥と関係はありますか?」

泉の隣にならんで水瀬に問う


水瀬の顔はニヤリと笑った



「そーそー。あんた達の大事にしてるお姫様の、未来の旦那様。それが如月冬馬だ」



…はぁ
どうりで何も、情報がわからなかった訳です
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