みだらなキミと、密室で。
「お支払いはご一緒でよろしいですか?」
お会計のためにレジに向かえば、店員さんがそう聞いた。
「あ、別で──」
「はい、一緒で」
「えっ」
私の声に遥琉の声が被さったので思わず彼を凝視する。
今、一緒って言った?!
てっきり、『借金してる身なんだから自分で食ったものは自分で払うのが当然だろ』なんて言われるもんだと思っていたから、自分で払う気満々だったよ。
なんだ、ちょっとはいいところあんじゃん。
流石にそうだよね。
だって今回、私は遥琉にお願いされてわざわざ付き添いで来てあげてるようなもんだし。
食事代ぐらい、ねぇ。
でも、後からまたワーワー言いがかりつけられるのはごめんだし、一応、念押し。
「ねぇ、本当に一緒でいいの?だって私、遥琉に借金して──」
「男には格好つけさせてよ、外なんだから」
「へっ……」
私の耳元に顔を近づけて、店員さんに聞こえないように耳打ちしてきた遥琉。
「安心して。今日のは後でまとめて請求するから」
「……はっ、」
前言撤回。