みだらなキミと、密室で。

「もう。なにぼーっとしてんの!」

「ごめんって」

今は、放課後。
俺の部屋で、海風と過ごしている時間。

今日は海風のバイトがない絶好の日。

この時間が楽しみすぎて授業頑張れたなんて、本人には恥ずかしすぎて絶対言わないけど。

『もー』と口を尖らせる海風も、当然可愛くて、あーチューしてぇなぁって思う。

「店長がね、バイトひとり募集してるんだって。キッチンの子。伊月さん大学がだんだん忙しくなるからこれから出勤減らしていきたいみたいで。卒業前には伊月さんも辞めるみたいだから」

「あぁ、そうなんだ」

ちょっと前までは、早乙女さんのことをすごい気にして気が気じゃなかったけど、

今はさほど気にならなくなっている。

海風はやましいことをしないって信じているし、

この間、海風の店にご飯を食べに行った時に、早乙女さん、全然やな感じじゃなかったから。

相変わらずチャラくてあのテンションに合わせるのは無理だけど。
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