一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
だが、俺の弟の直の話によると、璃子が生意気な口を聞くのは俺だけらしく、同級生には優しくて人気があったらしい。
確かに俺が甘やかしてしまったせいか、璃子は俺のことだけ『匡』と呼び捨てにするし、俺が車の免許を取った時は、よく『迎えに来て』と電話を寄越した。
実の兄の京介だって免許を持っていたのに、『お兄ちゃんの運転は怖いから身の危険を感じるの』と拒絶していた彼女。
京介がそれを知って落ち込んだのは言うまでもない。
だが、俺が思うに京介が璃子にしつこくしたからいけないんだと思う。
あれだけ顔がかわいい妹がいれば構いたくなる気持ちもわかるが、璃子が休日友達と出かけるというと、京介は『それは女友達か?』、『男は一緒じゃないよな?』と何度も確認。
そんな京介に璃子は、『お兄ちゃん、あまりしつこいとバレンタインにチョコあげないよ』とか言ってうまくあしらっていた。
だが、端から見ていると彼の妹への溺愛は度が過ぎていたので、俺が『いい加減妹離れしろよ』と説教したのだ。
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