一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
5,ふたりだけの旅行
「……ん」
寝返りを打ったら、なにかにぶつかって、目が覚めた。
目の前には大好きな人の顔。
あれ?なんで匡が?
私、夢でも見てる?
寝ぼけているのかと思って何度も目を瞬くが、状況は変わらない。
え?ええ〜!
声にならない悲鳴をあげる私の身体を匡がギュッと抱き締める。
「……長谷川、今日はフレックス」
彼の声でハッと息を止めた。
寝言……か。
私を枕と間違えてる?
じっと匡を見つめるが、彼が目を開ける気配はない。
なんで匡と一緒にベッドに寝てるの〜!
昨日ご飯作って食べて……それからどうしたっけ?
げげっ、……記憶がない。
サーッと顔から血の気が引いていく。
どうやって匡の腕から抜け出そうかと思案していたら、彼が私の胸に顔を埋めてきて石化した。
「……柔らかくて気持ちいい」
ちょっ……ちょっと。
これ……どうすればいいの〜!
パニックになる私。
普通ならゲンコツで殴るところだが、この状況は初めてで上手く対処できない。

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