一樹君の恋人は天使なんです
俺が護るから・・・ずっと一緒にいて


 宗田法律事務所。

 いつものように仕事が始まる。

 京香は変わらず一樹に取り巻いてくるが、一樹は何も知らないように接していた。



 お昼休みになり。

 一樹は所長室についている防犯カメラを確認した。

 それはあの日。

 京香が一樹が寝ている間にキスをした疑いがある日の録画を見てみた。


 一樹が転寝をしていると、京香が入ってきた。


 一樹が転寝をしているのを確認した京香は、ニヤッと笑い、一樹にキスをした。


 コンコンとノックの音が聞こえると、ドアをチラッと見て一樹の唇を吸い上げてゆく。


 ドアを開けて悠が入ってきた。


 キスをしている一樹と京香を見て、驚いている悠。


 慌てて書類をテーブルに置いて、悠は出て行った。


 悠が出てゆくと、京香はニヤッと笑った。


 しばらくして一樹が目を覚ました。

 京香は何食わぬ顔で、テーブルの上の書類を一樹に渡す。



「なるほどな…。こんな場面見せられたんじゃ、傷つくよな…」


 映像を見ながら、一樹はしばらく考え込んでいた。


 コンコン。

 ノックの音に一樹はハッと我を取り戻した。

「所長、失礼します」


 やって来たのは美恵。


「お昼休みにすみません、ちょっといいですか? 」

「ああ、どうかしたのか? 」



 美恵と一樹はソファーに座った。

「あの。ちょっと気になったことがあるんです」

「気になる事? 」


「悠君の事なんですが」

「どうかしたのか? 」


「いえ…私の思い過ごしならいいのですが。…悠君、もしかして女性なんじゃないかと思いまして」


 ゲッ…気づかれたのか?
 美恵さんは子育て終えているからなぁ。
 見抜かれても不思議じゃねぇよな。

 ちょっとギクッとした一樹だが、平然を装って美恵を見ていた。
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