Love＋War

「一晩、泊まりたいと？」

「キングに海彩が居ないから海彩不足で死にそう…」



いやいや、何言ってるのこの人
確かにキングは礼王様が居ないとダメって訳じゃないし
副寮長もいるから何の問題もないけど
分かってる？男がわざわざ一緒に泊まるって大胆過ぎるし、そーゆーことよ？
わざとなの？


「それはいけません。礼王様」

そうそう、海彩は真面目だし良しとなんてしないわよ
それに、淑女としてちゃんとそこんとこ弁えてるし



「ジョーカーはまだまだ掃除が行き届かず今礼王様をお通ししてしまうとダニにやられて礼王様が肺炎に…」

そこじゃないでしょ！あなたもバカなの！？





反対する海彩に目を潤ませて礼王先輩が放った言葉は

「俺一人じゃ歯磨きも出来ない…」

ちょっとー！
歯磨きも出来ないとかキャラ設定幼児かよ！
演技するならマシな事言いなさいよ！



「そうですね。前まで私がやっていたので引き継ぎは陽向に任せてありますがやれてないとは…
陽向にキツく言っておきます」

やっていた！？
あなた、幼児相手にしてるんじゃないんだから
は、み、が、き、じょーずかな♪とかのレベルじゃないの！この人は！
陽向先輩も知ってるんだと思うわよ！礼王様は本当は何でも出来るって事を！逆に何で気がつかないのよ！



「それに、明日は海彩の焼いたキッシュが食べたい」

『！？』


キッシュですって…！？
砂炎に今までキッシュ焼いてくれなかったわ！

是非とも食べたい…。
でも礼王様の頼みなら作ってくれるけど砂炎が言ってもリクエストの物は作ってはくれないし…。



『一晩ならいいんじゃない？海彩
おばさまもよろしくない？だって明日の朝御飯は海彩のキッシュが食べられるのよ？』

！？何！？
砂炎が海彩の腕に手を絡ませて話しかけると礼王様は勢いよく睨み付ける
え？まさか女にも嫉妬するわけ！？面倒！面倒！




「仕方ありませんね。一晩だけですよ」

海彩睨んでるの気付いてないし


何なのこの二人！！