白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

 学園長室の前についた。


 このドアの向こうに
 きっと俺を捨てた母親がいる。


 母さんに会ったら
 絶対に言ってやるんだ。


『俺を捨てたことは、絶対に許さない』

 って。


 俺は学園長室の前で
 強くこぶしを握り締めると
 深呼吸をしてドアをノックした。


「どうぞ」


 その声に促されるように
 ドアを開けた。



 絶対にぶつけてやる!


 俺の8年分の怒りを。 


 俺を捨てた母さんに!



 俺は机の前に
 ゆったりと座る母さんを睨みつけた。



「十環くん、やっと会えた」



 ん?


 この人……



 誰??
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