白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
眠り姫のもとへ

 屋上に続く階段に着いた。


 あの踊り場を曲がった先に
 結愛さんがいるかもしれない。


 そう思うと
 ドキドキが止まらない。


 俺は外まで聞こえそうなほど
 うるさく飛び跳ねる心臓に手を当て
 階段を一段一段上っていった。



 踊り場までついて
 曲がった階段の先を見上げみると。

 そこには
 あの眠り姫がちょこんと座っていた。
 

 ノートを広げて
 うつむきながら何かをひたすら書いている。



 どうしよう……

 
 すっごく結愛さんに会いたいのに……


 ドキドキが激しくて
 声をかける勇気が出てきてくれない。


 一度、隠れよう。

 心臓が落ち着くまで、
 もう一度階段を下りて隠れよう。


 そう思って階段を下りようとしたとき


「あ!」


 階段を踏み外して
 とっさに声がもれてしまった。


 手すりになんとかつかまり
 転ばずに済んだ俺。


 顔を上げると
 結愛さんが心配そうな瞳で
 俺を見つめていた。

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