白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

 3学期が始まって2日目には
 学校中に
 俺と結愛さんが別れた噂が広まっていた。


 そして結愛さんの周りには
 高嶺の花の元生徒会長を狙う男子たちが
 いつも取り囲むように。



 イケメン一颯と
 一緒にいるからだろうか。


 俺の周りにも
 甘い声を発する女子たちが
 集まるようになった。


 結愛さん以外
 女子なんてどうでもよかった。


 消えて欲しいとさえ思った。


 でも……


 俺が女子に囲まれていたら
 結愛さんは嫉妬してくれるかな?


 『やっぱり十環くんがいい』って
 俺の元に戻ってきてくれるかな?


 そう期待した自分がいた。


 
 結愛さん以外の女子と
 楽しく過ごす姿を見せつけるために
『女子はみんなかわいい』って
 思い込むことにした。


 女子たちみんなに
 笑顔を振りまくことにした。


 そして女子たちと楽しく過ごす時間が
 意外にも結愛さんへの思いを
 ごまかしてくれることにも気がついた。


 でも
 いろんな女の子と接すれば接するほど
 思ってしまう。


 やっぱり俺
 結愛さんが大好きなんだって。



 お互い、周りを取り囲まれる学校生活を
 しているせいもあって
 結愛さんに話しかけるチャンスもなく
 結愛さんはこの学園を卒業した。

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