白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
高3 一颯

 ☆高3 一颯side☆


 は~ もう!!


 十環の奴
 結愛さんと別れて2年以上も経っているのに
 まだ結愛さんのことを引きづってんだよな。


 ま、俺だって
 6年の片思いの末
 六花と付き合えたのは最近だし。

 人のことを言える立場じゃないんだけどさ。



 でも、思っちゃうんだよな。


 十環も
 幸せになったらいいなって。


 あいつはさ
 俺に言いたいことズバズバ言うくせに。

 自分が苦しいとか辛いとかそういう思いは
 俺にも吐き出せないみたいでさ。


 自分の中に抱え込んで
 一人で苦しみから
 耐えているみたいだから。


 なんとかその苦しみから
 開放してやりたいって思うわけ。


 だから
 六花の親友の桃ちゃんが
『十環のことが好き』って知った時
 素直に思った。


『桃ちゃんなら
 十環の積み重なった悲しみを
 溶かせるかも』って。



 ま、
 この先、十環が
 桃ちゃんを好きになるかどうかは
 俺にはわからないけど。


 陰ながら桃ちゃんの恋を
 応援してやろうと思う。


 桃ちゃんの恋が玉砕しちゃったら
 親友の六花も悲しむからさ。


「桃ちゃんに
 恋が実るお守りでも作ってやるか」


 俺はそうつぶやくと
 クローゼットから裁縫箱を取り出して
 大得意のお守りづくりに取り掛かった。

                                  ☆END☆

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