私だけの王子様、見つけちゃいました!

彼と過ごす放課後




それから数週間。
私は毎朝少し早い電車に乗り、小鳥遊くんに会うことを続けていた。


化粧やスカート丈も自然な感じに戻し、
特に取り柄のない状態で小鳥遊くんと話している。



この数週間の間に小鳥遊くんは少しずつ話してくれるようになり、
好きなアーティストが私と同じWAVEというグループってこともわかった。





「小鳥遊くん、おはよう!」



「あぁ、おはよ。」




聞いた聞いた?!
おはようって挨拶を返してくれるようになったの!!

いつもシカトか「ん、」か「へぇ…」とかしか
話してくれなかった小鳥遊くんが!!
すごい成長だよね?!



「成長ってなに.......。」



「はっ!!!私、今声に出してた?、」



「顔に全部考えてること書いてある 笑」




えっ.......


「小鳥遊くん.......笑った?」



初めてみた、小鳥遊くんの笑った顔。



「…笑ってない。」



「いーや、絶対笑ってた!

.......笑った顔もかっこよかったですっ」




「あーもー、うるさい。」





そう言いながら手の甲で口元を隠す小鳥遊くん。
彼の頬はほんのり赤く染まっていて、私の胸はキューっと痛くなった。

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