強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
約束




『真夜の嘘つき。約束はちゃんと守ってよ』


――今から約二ヶ月前の結婚式。


挙式を終えた俺と明は披露宴までの時間を控室で過ごしていた。

すると突然、明が厳しい口調で俺を問い詰めてきた。


『式が始まる前にお願いしたよね。誓いのキスは頬にしてって』


ウエディングドレスのふんわりとした裾を握り締めた明が、ソファに座りくつろいでいる俺をじっと見下ろしている。

本人は俺を睨み付けているつもりだろうけど、もともと穏和な顔つきの明の睨みなんてまったくこわくなかった。

それに、明が俺に対して腹をたてている理由も分かっていたし、そのことで挙式後に問い詰められることも想定していた。だから、特に慌てたりはしなかった。

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